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産後ママに必要な6つのたんぱく質

昨今の高たんぱく質、低糖質ダイエットの影響もあるのか、産後ダイエットをしているママの間でも「ダイエットにたんぱく質は大事」という認識が広まっているようで、指導をしていると「たんぱく質はたくさん食べた方がいいですか?」と聞かれることがあります。でも、実は、答えは「イエスでもノーない」です。

では、答えをお話する前に、なぜここまでたんぱく質が大事!と言われるようになったか、ということからお話します。

肥満の人や太り過ぎの人は総じて甘いお菓子や揚げ物、ご飯の量が多く、その原因は「糖質過多」だとされてきました。例えば、大柄な男性がからあげ一個で大盛りごはんを平らげてしまう、というのはよくある光景ですが、こうした食習慣を続けている人に肥満や糖尿病、メタボリックシンドロームを患う人が多い事から、まずは日々の食事から糖質を減らそうということになりました。

その中で大流行したのが、糖質制限ダイエットです。さらに、多くの人はこれまで、野菜は健康にいいから食べなければならないけれど、たんぱく質も同じように食べなければならないもの、だとはあまり認識してこなかったために、糖質制限ダイエットが流行すると、糖質制限=食事量を減らす=野菜で低カロリーにという間違ったダイエットをする人が増えていきました。特に女子中学生や高校生など、手っ取り早く体重を落したい人は、お米=悪という考えから、お米に合わせて食べる肉、魚、大豆なども同じように減らしてしまうようになり、外見は痩せているのに内臓脂肪が多い隠れ肥満や低栄養状態の人が急激に増えていったのです。

隠れ肥満や隠れ低栄養状態の人(特に女性)は、見た目では世間から「ステキ!」「カッコいい!」「かわいい!」ち好評価を得るので、自分が不健康であることに気がつきません。冷え性がひどくなっても、生理痛がひどくなっても、女性なら冷えや生理痛があるのは当たり前、と考えそれを改善させようという気持ちにはなりにくいところがあります。しかし、高齢出産や不妊の悩みが世間で増え、認識されてくると、今までの冷えや月経不順、寝込むほどの生理痛は、本来放置すべきものではなく、治療や改善するべきものなのではないか、と考えられるようになりました。

すると、ただ痩せているだけなのは本当の美しさじゃない、健康に痩せて身体の中からキレイを目指そうという機運が高まっていきます。現在はまさにその真っ只中にありますね。話がそれますが、この機運の大きな転換期は、パリコレで低すぎるBMIのモデルを起用しないということになった時だと思います。これ以降、ランウェイでは骨のように痩せているモデルではなく、筋肉のついたひきしまったまさに「美ボディ」のモデルが歩くようになったように思います。こうして、これまではスリムでスキニーな女性が美しいと言われてきた(まだまだ根深いですが)のが、筋肉をしっかり付けて適度な脂肪があるボディが美しいという風潮に世界がそして徐々に日本が変わっていきました。

この筋肉を鍛える筋トレやピラティスがダイエットの基本要素になってきたことにより、プロテインを摂取するという概念がダイエットに取り入れられるようになっていき、「ダイエットにたんぱく質は大事」という認識が広まっていくようになりました。

ここまで書いてくると、わたしの人生はこのダイエットの変遷の中にあったな、と感慨深ささえ感じます(笑)わたしの子どもの頃は、リンゴダイエットとか、キャベツダイエットとか、酢ダイエットとか普通にメディアでも取り上げられていて、たくさんの人が次々と流行りのダイエットにチャレンジしてはリバウンドしていました。今はこんな無謀な単品ダイエットをおすすめしている人っていませんよね。人生100年時代に入り、その時を満足させる生き方ではなく、どう幸せに健康に生きていくかをみんなが考えた結果が今にあるのかな、と思います。そしてこの今の常識だって10年後には全く違うものになっているはずですしね。

 


 

さて、こうしてわたしたちのダイエットにたんぱく質は必要不可欠なものだという認識が広がりました。では、何をどれくらい食べれば、一日に必要な量を満たす事ができるでしょうか。

例えば、20代〜40代前半の女性場合1日の必要なたんぱく質は50gです。その値に、妊娠後期は+25g、授乳期には+20gのたんぱく質が必要とされます。このプラスされる量を付加量といいますが、お腹の中の子どもが急激に成長するためや産後の母体を順調に回復させるのに、普段よりも多いたんぱく質が必要になるため決められています。

しかし、たんぱく質50g(+25g、+20g)といわれても、何をどれだけ食べればいいのかは分かりませんよね。

まず、「何を」ですが、次の6つの食品を毎日1つずつ食べるのが理想です。

卵、肉、魚、乳製品は動物性たんぱく質、納豆と大豆製品は植物性たんぱく質です。

動物性たんぱく質の良いところは、アミノ酸が豊富なところ。アミノ酸はたんぱく質合成に欠かせない、いわばたんぱく質の材料なのですが、これが100点(難しく言うとアミノ酸スコア)を超えないとたんぱく質合成がうまくいきません。でも、卵、肉、魚、乳製品はアミノ酸スコアが100点満点なんです!しかし、じゃあ動物性たんぱく質だけ食べてればいいじゃないか、と思うかもしれませんが、そこにはデメリットもあって、動物性の脂質が多くなってしまうこと。特に肉の脂身は高脂血症や脳血管疾患の原因にもなると言われていますので、食べ過ぎはあまりよくありません。

そこで大事なのが納豆をはじめとする大豆製品の植物性たんぱく質です。植物性食品はコレステロールが含まれないのでゼロ。動物性と置き換えることで脂質の摂りすぎを防ぎます。しかし、植物性たんぱく質は先ほどお話したアミノ酸スコアは100なのですが、それを消化し合成するDIAAS 消化性必須アミノ酸スコアが100を満たしません。これが低いと、せっかくのたんぱく質が最大限の有効利用ができないのです。ですから、健康のため!とせっせと豆腐や納豆ばかり食べていては身体がたんぱく質不足になってしまいます。

つまり、動物性と植物性どちらのメリットも活かしつつ、デメリットを補うには、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質を一緒に食べることで解決でききるのです。

例えば、メインに肉や魚をおきみそ汁に豆腐を入れる、納豆と卵でとじて納豆オムレツにする、ヨーグルトにきな粉をまぜるなどです。わたしは、忙しい朝に何品も用意できないので、前日の豆腐入りみそ汁の残りに卵を落して食べることがよくあります。半熟にした卵は吸収がよく、さらに野菜もとれるし、味噌の発酵食品もとれる。おすすめです。

 


 

では、それぞれをどのくらい食べればバランス良く食べられるのでしょうか?

次の表は、具体的に6つのたんぱく質をどのくらいずつ食べれば1日70gを補えるかを示しています。ぜひ参考にしてくださいね。

このように、ひとつひとつは少ないですが、6つを合わせることで1日に必要なたんぱく質量を補うことができるのです。でも、子育てやつわりなどできない日もありますよね。そういう日は無理をせず翌日に持ち越します。例えば、魚を食べられなかった日は、翌日に必ず魚を食べるようにする、こんな感じでOKです。その時、きのう食べられなかった分、2日分食べよう!としなくても大丈夫。1日1日リセットする気持ちで積み重ねていきましょう。

さて、ここまで読んでいただき、100gの肉に100gのたんぱく質が含まれていないことにお気づきですか?肉も魚も水分や脂肪など、たんぱく質以外の成分も多く含んでいるので、100gの肉がそのまま100gのたんぱく質ではないのです。ここをぜひおさえておいてくださいね。


そうそう、冒頭の「たんぱく質はたくさん食べた方がいいですか?」の質問の答えは、「産後ママはだいたい70gを目安に食べましょう!」です。“たくさん”というキーワードばかりが先行すると、食事のバランスが崩れてしまいますからね。大事なのは「まごたちにく やさしいわ」ですよ^^

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