健康な体重で生きると得られるハッピーなこと
標準体重という言葉をご存知ですか?
BMI(Body Mass Index / ボディ・マス指数)、体格指数といわれる
[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値で、肥満や低体重(やせ)の判断に使われます。
日本人の場合、BMI18.5〜25.0が普通体重とされており、
その中間BMI22の体重が一番病気になりにくいとされる標準体重といわれます。
しかし、 BMI 22で満足している人は実はあまり多くありません。
特に日本人は、お人形のように細く、足が長く、体重が軽いことが美しい、かわいいと
評価されることが多く、これは本当に幼少期から続く間違った価値観の植え付けです。
標準体重は太っている、モテない、努力不足など負のイメージが強く、
それで満足していても「やせないといけない、やせないと受け入れてもらえない」という
強迫観念に支配されてしまう人がたくさんいます。
しかし、本当にやせが幸せに繋がっていくでしょうか?
今日は、標準体重=健康な体重で生きると起こるハッピーなことについて考えていきます。
1.健康とはなにか?
先ほどもお話したように、
医学的に示されている標準体重BMI 22は、もっとも病気になりにくく、長生きしやすい体重なのです。
つまり、健康な体ということ。では健康とはなんでしょうか?
想像していただくとわかるように、体重が増えれば、それに応じて筋肉、脂肪、血液量など
体を維持するための組織が増えていきますよね。
体重の多少に関わらず、私たちの脳や心臓、臓器などはほぼ同じ大きさをしているので、
それを正しく維持していくために必要な栄養素量をBMI 22の体が適切に保持できている
ということなのです。
臓器が正しく働き、常に正常な循環が起きている。
それが健康ということなのです。
2.健康な体重で起こるハッピーなこと:①病気になりにくい
人生100年といわれて久しい昨今では、ライフプランをこれまでよりも長く考えていかなければなりません。
60代ではまだまだ元気で、70歳を定年に見据えている人も増えるでしょう。
子育て中ではなかなか自由に出来なかった旅行や趣味を、子どもの独立後に満喫しようと
考えている人も多いと思います。
しかしながら、それらは全て健康あっての未来。
病気をして生活に制限を持ちながらの老後では幸せも半減してしまいます。
また、健康な体重で生きるメリットは老後に限ったことではありません。
子育て世代にもまた同じことがいえます。
わたしが子どもの頃、母が入院をしました。過労から体調を崩したのです。
祖父母も兄弟もいましたから、生活に不自由はありませんでしたが、
やはり母親のいない生活は心細いものがありました。
今では、近くに祖父母もいない、支え合える兄弟も少ない家庭も少なくありません。
子どもを守るためにも、まず親が健康でいなければならないのです。
子育て中のお母さん達に話を聞くと、
子どもには栄養バランスのとれた食事を作っているけれど、
自分はカップ麺や菓子パン、残り物で済ましているという親がとても多いです。
日本人は昔から自己犠牲が美徳とされてきたところがあるので、
母親なら我慢して当たり前、子どものためなら母親は質素なものを食べるくらいで充分、
そんな意識が受け継がれてきてしまったのでしょう。
しかし、それは間違い。
子どもが熱を出した時、一晩中看病しても倒れない体力、気力を親は持たなければいけません。
子どもの反抗期に、グッと怒りを我慢して冷静さを保ち成長を見守る精神力を親は持たなければなりません。
それを作るのが日々の食事から得られる栄養なのです。
3.健康な体重で起こるハッピーなこと:②感情をコントロールできるようになる
製薬会社大手の大正製薬株式会社が2014~2015年に行ったアンケートによると、
ダイエットをしたことのある20代から50代までの女性のうち、
60%以上の女性がダイエットをして性格が悪くなったり、
イライラするようになったりと人間関係に影響したと答えています。
その多くの女性がしたダイエットが「食事制限」
食事を我慢するストレス、空腹感、頑張っているのに成果が出ないイライラ、リバウンドなどが
気持ちのコントロールができず周囲にギスギスした空気を出してしまうようです。
実は、これはわたしも経験したことがあります。
わたしのやったダイエットは糖質制限。ご飯を減らしたり抜いたりしました。
最初は順調に体重が落ちていってとっても嬉しかったのです。しかし、次第に停滞。
頑張っているのに減らない体重。自分だけ少ない食事量。目の前でおやつを食べる子ども。
全てにイライラし、次第に感情を抑えられなくなりました。
糖質制限は確かに減量スピードが早いです。糖質が入ってこないので、脂肪をエネルギーにするためです。
見た目を気にする若い女性ほど魅力的に思えて、多くの人が挑戦します。
しかし、誰とも関わらず、トレーニングやダイエットに集中できる人はいいでしょうが、
子育て中や人と関わる仕事の人ではどうでしょうか?
小さなことでイライラして怒られる子どもや同僚は
「ダイエット中だもの仕方ないよね。」と済ませられるでしょうか?できませんよね。
わたしは、結局、見かねた夫に食事抜きダイエットの禁止を申しつけられました。
怒りや悲しみの負の感情も、喜びや愛するなど正の感情も、その感情が起こると同時に体も変化します。
血圧が高くなったり、汗が出たり、頬が高揚したり、胸がドキドキしたり。
このような気持ちと身体的な変化は繋がっていて、離すことができません。
4.やせでも肥満でもない標準体重で生きよう
中庸という言葉がありますね。『行き過ぎや不足がなく、常に調和がとれていること』です。
体重も生き方も同じ。
常にやせを目指してダイエットを続ける人生や好き勝手食べて肥満になることが、
本当に未来の幸せに繋がっているでしょうか。
大事なのは、気持ちよく生きられるニュートラルを維持すること。
そのために、中庸を保つ食生活を身につけることです。
あなたがあなたらしく未来の時間を楽しく生きていくためにも、健康な体重を目指しましょう。