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年末年始休業のお知らせ

今年も残すところわずかとなりました。

子供の頃は、12月31日の大晦日といえばナマハゲが来る日で、一年で一番恐ろしい日でした。紅白が始まって少し経った午後8時頃、ピンポーンと玄関のベルが鳴ると、祖母がいそいそと出て行きました。こんな夜に人が訪ねてくるなんて、普段でもないことです。わたしと兄(弟もいます)は、2階の押し入れの布団の隙間やお湯を張る前の湯船の中、おトイレの中に(もちろん鍵をかけて!)閉じこもります。

彼らは最初はとても礼儀正しく入っていきます。いやいや、どうもどうもと言いながら長靴を脱いで、片手に出刃包丁、反対の手には子どもを入れて連れ去るための桶を持っています。もうずいぶんお酒を飲んでいるので、匂いが家中に充満して、”異物”が家の中に侵入していきたのが空気の変化で分かるのです。今年は完璧に隠れられたから大丈夫だ、と思いつつも心臓は破裂しそうなほどドクドクと波打ち、緊張が全身を包み込みました。

一時の静寂の後、「おぉぉぉぉー!!」というあの声が聞こえます。「見つかりませんように!見つかりませんように!」それだけを祈って目をギュッと閉じます。「どごさいるなだ!ででこい!すーぐみづげにいくど!(どこにいるんだ!出てこい!すぐ見つけに行くぞ!)」わたしを探している大声が家中に鳴り響きます。怖い怖い怖い!

すると、開くはずのない(と思っていたのに!)2階の子供部屋のドアがバンと開きました。”鬼”がわたしを連れ去りにそこまで来ている!「…なんでだろう、わたしはずっと一年間いい子にしていたのに。点数の悪いテストをランドセルの底に隠して怒られたからだろうか、兄と取っ組み合いの喧嘩をしたからだろうか。それだって何で彼らはそれを知っているんだろうか。親が教えた?そんなことってあるだろうか。なんでわたしがなんでわたしが…。」そんなことばかりが頭をグルグル回っている間に、わたしは、あっという間に布団を剥ぎ取られ、ものすごい力で手足を引っ張られ、あの巨大な体に担ぎ上げられて、大声で泣き叫ぶしか抵抗する術がありません。

わたしにとって彼らは、どんなに贔屓目に見ても”神”ではなく紛れもなく”鬼”でした。

もちろんわたしも知っていました。あのお面の下には近所のおじさんがいて、普通の人間なんだから怖がる必要なんてないということを。それでも、あの面を間近に見て、作り物だと分かっていても大きな包丁を振り上げられたら、そこには震えがあるほどの恐怖がありました。「いい子にすれよ!いいが!母さんの言うごとよぐきぐんだど!(母さんの言うことをよく聞くんだぞ!)」そう言い残して素直に去ってくれればまだいい方で、年によっては玄関でまた因縁をつけられて桶に入れられそうになったこともあります。

それでも、彼らが過ぎ去ったあとの家の中は妙に清々しく、何となく親や祖父母に対する感謝の気持ちみたいなのが沸き起こってきて、ここが自分の安心できる場所なのだと納得するのでした。

「これを頭に巻くと頭が良くなるよ」と言われて”神”が残した稲藁を、祖母に頭に巻いてもらった優しい記憶が、大人になった今も、懐かしさとともに思い出される年の瀬です。

 

今年もお世話になりました。また来年お会いしましょう。

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